Your letter ~君からもらった宝物~
全ての検査を一通り終え、診察室に戻った。
「実技は赤坂先生に見てもらって来たんだっけ?」
「はい。」
「赤坂先生、さすがだな〜。」
確かに赤坂先生はすごく腕のいい先生だ。
「哉斗くんなんか言っときたいことある?」
「特にないですよ。問題なかったですし。」
「だって。よかったね!」
「はい。」
哉斗は梛先生の軽い診察を受けて病室に戻って行った。
「哉斗って、退院できないんですか?」
「一時帰宅はたまにしてるんだけどね。そのままなにもなければ本格退院にしようと思ってるんだけど、やっぱり戻って来ちゃうの。」
要は一時帰宅で体調が悪化したり、検査結果が良くなかったりしたってことだろう。
「弟も心配してるんだけどね〜。」
「弟?」
「そろそろ来るはず。哉斗くんの結果を聞きに来るの。」
「姉ちゃん。」
診察室の扉に目を向けると入って来た人に驚いた。