Your letter ~君からもらった宝物~
後ろから声をかけられ、驚いた。
驚いたっていうのは声をかけられたからじゃなくて、俺の名前を呼ぶ声が海実に似ていたから。
「夏川先生」
声の主は夏川先生だった。
「どうしたんですか?ため息なんかついて。」
見られててんだ。
「いや、どこの科にしようかと思いまして…」
「そうなんですか。あ、大丈夫でしたか?」
「何がですか?」
「桜先生がここから出てきたので。」
「あー…多分大丈夫です。」
間違っても理由こじつけたなんて言えない。
「今日、お暇ですか?」
「兄のところ寄るつもりですがその後は特に用はないです。」
なんでこんなこと聞くんだろう?
「夕食、ご一緒しませんか?」
「え?」