Your letter ~君からもらった宝物~
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「夏川先生はいらっしゃいますか?」
医局に入り、看護師に聞いた。
「小児科に行ってくると仰っていたので小児科医局だと思いますよ。」
「ありがとうございます。」
俺は小児科医局へと向かった。
「あれ、直人くん!」
あ、やべ…桜先生だ…
「どうしたの〜?こんなところで」
「あ、えっと…力耶先生に用事があって…」
咄嗟に嘘ついちゃったよ…
「そういえばさぁ」
桜先生視線を逸らして話を切り出した。
「はい?」
少しの間があった。
「直人くんの彼女って、病気で亡くなったのね。」
「はい。」
それがどうしたって言いたいんだ?
「よかったね〜、そんな彼女、直人くんの足引っ張るだけだもん。この際だから付き合おうよ、私たち。」
にこにこしながら言った。
さすがに黙ってはいられなかった。