Your letter ~君からもらった宝物~
俺の中だけの時間が止まったかのようだった。
「あの人は…あの人たちは最低です。」
桜先生とその家族、つまり海実の家族は普通ではないという。
「あの家族は…海実を1人にしたんです。」
海実は病気になってから家族に見捨てられ、母方の祖母の養子に入ったという。
「俺が外科にいるときのメモって…」
「…私です。ごめんなさい…」
「いえ、言っていただけてよかったです。」
あの時に言ってもらわなかったら分からなかった。
「海実に、頼まれたんです。“直人くんをよろしく”と」