夜に象
1999

5.20

88歳の老婆も 17歳の瞬があったように
17歳の少女も 88歳の老婆になるように

男に抱かれた夜に吹いていた 生暖かい風も
1人で眠る夜に 吹いていた

当時 まだ16歳の少女は 裸足で走った
訳も分からない 目的地が分からないまま ただただ愛に走り 性に走り 走ることしか知らず 立ち止まることを恐れた

男を知らなかった 男の声も 身体も 脳ミソも アソコも 性欲も 野望も 醜くさも美しさも

彼の醜ささえ 当時の彼女からしたら 魅力的で色気や愛らしささえ感じていたのだ。
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