夜に象
親に怒られなかった? 東京はまた薄い笑みを浮かべる。

別に大丈夫。すぐ帰らなくちゃいけないけれど。 夜は震えた声で言った。なぜなら彼から伝わる性熱が 彼の声に乗り 耳に入り込んできたからだ。

東京の小さな息を確認する。ココナッツの匂いのする車内は 毎度 夜を狂わせる。

東京の白くて肌触りのいい手が 夜の胸元へ運ばれる。
風呂上がりで下着を着けていない夜の胸へ 上から手を滑らせた。
夜は、暖房がバカみたいに効いている理由を悟った。
彼は私を抱きに来た。
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