悪魔に恋わずらい

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「何もしないなんて、そんなの嘘に決まってんじゃん」

累くんの家で居候生活を送ることになった経緯を話すと、辛口の親友、樹里はばっさりと私の甘えを一刀両断した。

「でも本当に何もしてこないのよ?」

ルームシェアは快適そのものだった。

2LDKの間取りの一室を間借りしている訳だか、累くんは掃除洗濯はもちろん手の込んだ朝食に栄養満点のお弁当まで作ってくれる。

あまりの快適さに、早々に引っ越し先を決めて出て行くつもりだったのに、ずるずると居座ってしまっている。

このままでは堕落してしまうと家事分担を申し出たが、累くんは承知しなかった。

“僕が好きでやってるんだからいいんだよ”

お世話するのが楽しくてしょうがない、むしろ取り上げられたら泣く!!と豪語されてしまうと手出しできない。

「紅子は明石って男を分かってないね。あの執着心のあるプチストーカー男が紳士面を保っているだけで奇跡みたいなもんだって」

中学、高校と私達を眺め続けていた樹里は累くんのことをよく知っていた。

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