悪魔に恋わずらい
「勝手に入っちゃダメじゃないか」
「累……くん……」
引き出しに伸ばしかけた手を慌てて引っ込めて、背後に隠す。
「探し物?」
累くんはさして気にした様子もなく、バニラアイスの入ったビニール袋をデスクの上に置いた。
「や、あの、その……ごめんなさい!!」
言い訳するのもおこがましい。全面的にこちらが悪いので平謝りである。
「僕の部屋を漁るように入れ知恵したのは、半沢さんかな?」
「う、え、……すいません」
樹里!!ばれてるよ!
付き合いが長いだけあって、完全に行動パターンが読まれている。
「そんなに見たいなら見せてあげようか?」
「へ?」
累くんは財布から鍵を取り出すと、引き出しを開けた。