悪魔に恋わずらい

「こっちは中学生の時の石崎さん。セーラー服、すごく可愛いよね」

……引き出しから出てきたものは夥しい量の写真だった。

「高校のブレザーも良かった。スカートが短くていつもドキドキしてた」

……どれも、私の写真ばかりだ。

「ほら、これなんかお気に入りなんだ。一生懸命フルート吹いてる」

……それも、撮られた覚えのないものまでぎっしり。

「累……くん……?」

私は……とんでもないパンドラの箱を開けてしまったのだろうか。

「安心して?他の女になんか興味ないよ。今も昔も石崎さんだけさ」

累くんは微笑みながら、ジリジリと私を窓際まで追いつめた。

後ずさりしながら泣きそうになる。

秘密を暴いたのは私なのに受け入れられそうになかった。

「や……だっ……!!」

弟のように思っていた彼の男性としての本能は今、間違いなく自分に向けられている。

スカートから無防備に伸びた太ももにスルリと指が這わせられと、ぶわっと背筋に鳥肌がたった。

5年も傍にいたのに、まるで別人のような飢えた獣のような目で私を見ている。

……累くんが怖い。

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