悪魔に恋わずらい
“一目惚れなんだ”
あったかいお布団の中で更に累くんに包まれていると、夢見心地の気分になる。
“石崎さんの泣き顔が可愛すぎたのがいけない”
泣き顔を見て興奮するなんて累くんの倒錯的な愛情表現は、この辺りの性癖に起因しているのかもしれない。
でも、私は知っている。
振られたと思い込んで泣き止むまで傍にいてくれた優しさもまた本物だったって。
初恋は実らなかったけれど、二度目の恋は成就した。
ううん、無理やり成就させられたのだ。他ならぬ彼の手によって。
狂わせたのが私なら本望だ。
……もう逃げない。
“好きよ”
いつも、私の傍にいてくれた。
“だから、もうどこにも行かないで”
……累くんのことが好き。