強引上司にさらわれました
「いつまでも置いておくわけにいかないでしょ」
刺々しい言い方になるのは勘弁してほしい。
私だって、好きでこういう態度を取るわけじゃない。
「今どこにいるんだ?」
「……友達のところ」
「そっか……」
私たちの間に重い沈黙が流れる。
すぐにでもここから脱出したいけれど、その前に話さなくてはならないことがある。
「達也のお父さんとお母さんは大丈夫だったの?」
「……ん、あぁ。……勘当だってさ」
そうでもしないと、親戚への顔向けができなかったのかもしれない。
「仕方ないよな……」
達也はポツリと言った。
「朝一で、上司と部署のみんなにも謝罪したよ。ひどい式に招待して申し訳なかったって」
“ひどい式”か……。
そうしたのは誰だ。