強引上司にさらわれました

一気にそう言うと、ベッドの下に散らばった洋服をかき集め、バスルームへと駆け込んだ。

頭から熱いシャワーを浴びて、脳を覚醒させる。

意味はない。
さっきのエッチになにも意味はない。
期待なんかもってのほか。
私にかけられたのは、愛情じゃない。
情けだ。

そう念仏のように繰り返し唱え、存在を知らしめようと頭をもたげた気持ちをシャットアウトする。

なにもなかった。
そう思おう。
それが一番だ。

そういう結論に達し、全身から課長の爪痕を消し去った。


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