強引上司にさらわれました
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学生たちも含め、完成した竹とんぼを飛ばす実験が始まった。
集まった竹とんぼは想像以上に多種にわたっていて、それは課長も驚くほどだった。
一グループごとに竹とんぼを飛ばしていく。
滞空時間の目標は三秒。
それ以下では製品として売れないと定めていた。
格好は良くても意外と飛ばないもので、相当数のグループが苦戦。
三秒持ったのは五十四のうち、八つのみ。
七秒飛んだグループが最長記録だった。
さらに材料コストも勘案して優勝グループが決まると、研修室内は拍手に包まれる、
最後に私たち人材開発課チームが作ったブーメラン竹とんぼを村瀬さんが飛ばすと、それはまさにブーメランのごとく舞い戻り、学生から「おぉ!」という歓声が上がった。
そうして行われた会社説明会は、大盛況のうちに終わることができたのだった。