強引上司にさらわれました

◇◇◇

翌週の月曜日。
土曜日の会社説明会の反省も兼ねて、私たち人材開発課のメンバーはミーティングルームに集まっていた。


「手元にあるのは、研修の終わりに学生たちに書いてもらった説明会の感想をまとめたものだ」

「え? これ、誰がいつまとめたんですか?」


村瀬さんが紙をめくりながら尋ねる。
それは、パソコンからプリントアウトされたものでA4サイズで十枚以上もあった。

土曜日は簡単に後片づけを済ませただけで、感想シートは集めただけだったはず。
昨日は休みだし……。

――もしかして。


「課長がこれを?」


昨日の日曜日、私がダラダラと過ごしている間に課長が外出していたことを思い出したのだ。
尋ねた私に課長がうなずく。


「いつの間に!?」


野沢くんも続いた。


「こういう事務処理なら私がやりますから、言ってくださればよかったのに」

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