強引上司にさらわれました

素直に『避けている』と言えるはずがない。
ただ、課長に罪はまったくない。
私の気持ちの問題だ。


「それなら、今日の夜は空けておけ」

「え……?」

「あとでスマホに詳細の連絡を入れる」


課長がそう言ったところで、エレベーターが一階に到着した。

私を置いて、課長はスタスタと歩き出す。
そして、受付の脇にあるカウンターに荷物を置くと、「あとは頼んだぞ」と先に戻って行ってしまった。



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