強引上司にさらわれました
何週間も居座ったホテルをチェックアウトしようと思っているのだ。
「今までグズグズしていた泉にしては、ずいぶんと行動が早いね」
耳が痛い。
真実だけになにも言い返せない。
それに今日は、美優に頭が上がらないのだ。
彼女の嘘に感謝しつつ眠りにつくことになるだろう。
「それじゃ、そのお祝いはまた今度ってことで」
そう言うと美優は、私の腕を引っ張った。
「ほら、早いところ課長の部屋に帰りなさい」
私を立ち上がらせて、背中を押す。
私はズンズン追いやられて、あっという間に美優の部屋から出されてしまったのだった。