強引上司にさらわれました
同じく日替わり定食の美優は、すでに半分ほどを食べ終えている状態だ。
「昨日は本当にごめん!」
箸を置き、美優が手を合わせて謝る。
「ううん、こっちこそかずくんに悪いことしちゃったし」
「それで、今どこにいるの?」
「……あー、うん……友達のとこ」
さすがに朝倉課長のところにいるとは美優にも言えない。
「そっかぁ。よかった。どうしたかなって気になってたの。LINEも既読にならなかったから」
「えっ、送ってくれてたの?」
全然気づかなかった。
テーブルに置いたスマホを確認すると、確かに美優から送信されていた。
「いろいろ心配かけてごめんね」
美優には、同期を代表して祝辞もお願いしていたのに。
朝までかかって書いた力作だと言っていただけに、披露してもらえなくて残念だ。