強引上司にさらわれました
ポカンとしているうちに、信号が赤から青へと変わる。
私がいつまでも受け取らないでいると、課長はそれを私の膝の上に置いた。
タイムスケジュールって……なに?
まさか……。
嫌な予感を抱きつつ、四つ折りにされた用紙を開く。
するとそこには、朝起きてから夜寝るまでのおおまかな行動が時間で区切られていた。
午前六時の起床から始まり、午前〇時の就寝で終わっている。
間に仕事を挟むからたくさんの予定は書かれていないが、主に睡眠時間と食事時間、入浴時間が決められていることはわかった。
「毎日この通りに動いているんですか?」
「まぁ、多少前後はするけど」
……すごい。
すごいとしか言いようがない。
そして、やっぱりと思わずにはいられなかった。
最初に予感したとおりだったからだ。
どちらかといえばズボラな私が、時間に正確な人と同居なんてできるんだろうか……。
しかも、それを強要されてるっぽいし。
大きな不安が私の肩にのしかかってきた。