強引上司にさらわれました
皿って……これ?
達也の部屋から持ってきたやつのこと?
でも、縁起が悪いなんて、ちょっと言い過ぎじゃないか。
私だって、好きでこうなったわけじゃないのに。
つい不満な表情が顔に出てしまう。
それに気づいたのか、課長は眉間からしわを消し去り、通常モードの無表情にほんの少し笑みを乗せた。
「とにかく、今日はいいとして、そういったものは使うな」
「つまり、結婚してから使おうと思っていたものはダメということですか?」
「そういうことだ」
意図がいまいち掴めないけど、言うとおりにする以外になさそうだ。
なんせ私は居候の身。
課長の機嫌を損ねるわけにはいかないのだ。
「わかりました」
素直に聞き入れると、課長は少し満足そうにうなずいた。