強引上司にさらわれました
◇◇◇
「この部屋の合カギだ」
部屋を出ると同時に、課長が私に差し出した。
「いつ作ったんですか?」
昨日はずっと私と一緒だったけど、そんな隙はなかったはず。
課長をまじまじと見つめる。
「昼休みに外へ出たついでだ」
「そうだったんですか。ありがとうございます」
星をかたどったキーホルダーまで付けてあった。
エレベーターで階下まで行くと、今朝もまた管理人さんはほうきとちりとりでマンションを出てすぐの植え込みの辺りを掃除していた。
今日もまた紫一色だ。
「おはようございます」
課長と揃って声を掛けると、小走りに走り寄って来た。
「ちょっとあなた、いい男をつかまえたじゃないの」