強引上司にさらわれました
◇◇◇
昨日作成した、会社説明会の案内の学生への郵送手続きを済ませて郵便局から戻ると、お昼まであと五分というところだった。
十二時を過ぎた途端に社員食堂は混雑してしまう。
キリもいいし、お腹も空いた。
少し早目にお昼休憩にしようかな。
そう思って、「お先にお昼に行きまーす」と部署内に声を掛けて立ち上がったところで、課長に呼び止められた。
「麻宮、ちょっといいか」
「はい」と返事をして課長のデスクまで行く。
すると課長は、一枚の用紙を私に差し出した。
「ちょっと見てくれ」
なんだろうかと受け取り目を通すと、そこには私が提案した会社説明会で実施する“竹とんぼ作成”について書かれているようだった。
「麻宮が提案してくれた“竹とんぼ演習”なんだが、ただ作るだけでは遊ぶだけで終わってしまうと思うんだ」
「……はい」
課長の言葉に耳を傾けながら、ゆっくりうなずく。