降りかかった最悪で最低なstory
奴はただ、じっとこちらを見つめていた。
しばらく、何も言葉を発せずにいると、何の感情もない目で、告げられた。
「…今日は、とりあえず帰るわ。ただ、これだけは言っとくけど、俺は何を言われても、アンタを手放す気なんて全くない。」
なんで、そこまで、拘る必要があるのか。
「どうして…?」
彼は、私が返した言葉には応えをくれず、一瞥しただけで、足早に部屋を去って行った。
色んな女優やタレントとも噂が絶えない。交友関係だって、広がってきた。
それなりの人脈もある。
私自身が辛いから、という理由が最も大きいが、
私から手放さないと、きっと互いに未来を進めない気がするのだ。
果たして、それが叶うのか。
この時の私は、とにかくこの日常から抜け出したかったのだ。