悲 恋
なな》私の天使と勤務地
🔸🔸花菜
私は、年を明けた2月に
女の子を出産した。
2800グラムの
天使のような、可愛い女の子だ。
きえ先生も、大喜びだった。
島の人も、お祝いをしてくれた。
妊娠がわかってからも
私は、悪阻もなく
有意義に過ごせた。
診察も、陣痛が始まるまでやって
患者さんの方が
心配してくれて
きえ先生に連絡したり
してくれた。
赤ちゃんは、花菜(かな)
と、名付けた。
花菜は、お腹にいるときから
ママ思いの良い子で
未菜は助かっていた。
産まれてからは、花菜を
看護師さんや
きえ先生が、私が診察の時は
みてくれた。
温大先生に知らせると
次の休みに、わざわざ来てくれた。
島中、私の旦那さんがきた
と、大騒ぎだったが
温大先生がきえ先生と話すと
違うと解り、肩を落とす人
喜ぶ人がいて
おもしろかった。
温大先生は、花菜をみて
鼻の下を伸ばして帰って行った。
それからは定期的に温大先生は、
花菜に会いにやって来て
島では、私と結婚するんじゃないかと
またまた、大騒ぎだった。
花菜は、病気を
することなく、スクスクと
元気に育ってくれた。
私は、育児が
わからない時は、きえ先生や
島のお母さん達に訊ねて
何の心配もしなくてよかった。
そんな、花菜は3歳になり
話せるようになり
いっそう、みんなに
可愛いがられていた。