弱虫なボク~先生と生徒の距離~
椅子が大きな音をたて転がると、またクラスの女子達は叫び出す。


その叫び声に、引き寄せられるように廊下には、野次馬達がうじゃうじゃと沸いてきた。



さらに、ガヤガヤと賑わいを増し、雑音が大音量で僕の耳に流れ始めた。


ウルサい


ウルサい


ウルサい


廊下の方に顔を向け、僕はまたしても睨みつけた。


しかし、雑音は止もうとはしない。


雑音が止まないなら、僕がここから居なくなるしかない。


血のついた痛々しい右手で鞄を持ち、左手にはあの写真を…

鞄を肩にかけ、ドアに向かって歩こうと一歩。


その度に、僕の動きを目で確認している生徒達。


完全に、今の僕に怯えているような気がした。
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