弱虫なボク~先生と生徒の距離~
今の僕は、そんなに恐いのか?


そんなに怯えるぐらいに恐いのか?



心の中で、二つの疑問を交互に呟きながら、廊下に出ようとした時だった。


ガヤガヤとウルサイ雑音の中から、僕を呼ぶ声が聞こえたんだ。


「井手君!待ちなさい!」


クラスメートの女子と並んで、こっちに、僕の方に先生が、


寿美子先生が…


わざわざ、先生を呼びに行ったのか…


今のこの状況では、先生に顔を合わせる事ができない。


そう思った僕は、聞こえてないフリをするように、全身に痛みが走るなか、


先生が向かって来る反対の方へと歩き出した。
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