弱虫なボク~先生と生徒の距離~
しかし、先生は、そんな僕を逃がしてはくれなかった。


「待ちなさい!」


必死に僕を引き止めようと、僕の左腕を力強く握りしめた。


こんな時でさえ、僕の左胸は、ドキっと音をあげた。


僕の足は動きを止めてしまう。

教室の周りの廊下には、さらに野次馬達が集まって、

ヒソヒソと、次から次へと伝言ゲームみたいに話しているように見えた。


それと同時に、冷ややかな瞳で僕の事を見ているようにも…


そんな野次馬達の冷ややかな瞳が、やけに痛く胸に突き刺さる。


いつもの僕と同じ、いくつもの冷たい瞳が、僕に向けられていた。
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