弱虫なボク~先生と生徒の距離~
先生は、僕の腕を掴みながら、教室の中へと連れて行き、


廊下に群がる野次馬達に、早く帰りなさいと促した。


そして、床の上に血を流し倒れている足立達を見て、一瞬に先生の顔色が変わっていくのが分かった。


高田香奈に、寿美子先生は保健室の先生を呼んで来るように言うと、


高田香奈は、返事をせずに涙を拭いながら、そのまま走って保健室へと向かった。


寿美子先生は、僕から離れ、足立達の倒れている教壇辺りに向かい、


何度も、足立達の名前を呼びながら体を軽く揺らしていた。


数分も経たないうちに、白衣を着た先生と高田香奈が、息を乱して教室の中に入ってきた。
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