弱虫なボク~先生と生徒の距離~
野次馬達が居なくなると、開けられていた教室のドアや廊下側の窓が全部閉められ、


重たく、淀んだ空気が教室内に漂っている錯覚に陥る。


しかし、そんな事はお構いなしな教師達。


「井手、お前…何やってんだよ!」


ジャージ姿の体育教師は、言葉を荒げ、今にも僕に掴みかかりそうな勢いで言葉を発した。


「すいません」


止まりかけの玩具のようになってしまっている今の僕は、


この言葉しか出てこなかった。


いや、他の言葉を発してしまうと、めんどくさくなるような気がしたからかな。


しかし、その素っ気なく、心がこもってない5文字に怒り出す教師達。
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