弱虫なボク~先生と生徒の距離~
僕が…笑った?



思わず、右手の指で、自分の顔をツンツンと触った。


先生の前で、笑った?


あまりにも、その行動は自然で、自分では全く気づかず


「あ、せっかく笑ったのに~!もう一度ニコっと笑いなさ~い」


先生は、顔に笑みをいっぱい浮かべ、声を大きく出し喜んでいるように映った。


僕は、笑った顔を見られたからなのか


頬が熱くなって、照れを隠すかのように

「嫌です。」


と、素っ気ない言葉を漏らし、暗くなり始めた窓の外に視線を向けた。
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