弱虫なボク~先生と生徒の距離~
抱きしめられていた安心感からか涙は止まって、


再び冷たい瞳へと変わろうとしていた。


先生の背中を目で追うように見ていると、


ちょうどドアを開けようと腕を伸ばしていた所だった。


しかし、先生が開ける前に、生徒指導室の扉は勢いよく


『ガラ!!』


と、激しい音を立てて開けられた。


突然開けられた扉に、先生は、ヒャっと言葉をあげて驚き、


思わず、飛び跳ねるように後ろへ後退した。


勢いよく開けられた扉の方に、冷め始めた僕の目を向けると


そこには、息を乱し、僕の事を悲しい瞳で見る、予想外の人物が立っていた。
< 141 / 222 >

この作品をシェア

pagetop