弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「もしもし」



で、始まった電話の会話がしばらく続き、



「あ、あった、あった!」


という高田香奈のハシャぐ声で終わった。


電話が切れ、画面に残る通話時間を見ると28分


説明するだけでお疲れモードになってしまう。


そして、ピンポーンという音が聞こえて来るのと同時に、僕は部屋を出て



玄関の方へと向かって走って行った。



玄関のドアの前に立ち、少し走って乱れた呼吸を整えてからドアノブに手をかけて、ゆっくりそれを回した。


一瞬、強い風がピュッと家の中に入ってきて、僕は思わず瞳を閉じていた。


もう一度、瞳を開けると、そこに1人の女性が立っていて…


「どう?退屈とか感じてない?」


僕より小さな、先生が…


寿美子先生が…


「えっ?どうして先生が?」


ドアを開くと、高田香奈が居ると思っていた僕は、突然の予想外の訪問者によって、パニック状態となっていた。
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