弱虫なボク~先生と生徒の距離~
ドアを開けたら、現れた寿美子先生



僕の心の中で止まっていた時計の針は



チッチッチッチッチッ



と、また音を鳴らして、静かに動き出した。



でも、突然過ぎて、心臓もバクバクと激しく揺れているのも事実だ。



「とりあえず、中へどうぞ。」



「あっ、気を遣わせてゴメンナサイ…」


ぺこりと頭を少し下げる先生から、いつもの甘い香りが、ふわっと玄関に広がっていく。


ピンクのふわふわスリップを丁寧に置き、僕は先生を自分の部屋へと案内した。
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