弱虫なボク～先生と生徒の距離～

「大人」と「子供」

もうすぐ陽が暮れる時刻。


もしかしたら、僕は今、夢の中に居るのかもしれない。


先生が僕の部屋に居るなんて…ありえない。


ピンクのプラスチックのコップに入れたオレンジジュースを美味しそうなに飲む先生。



その姿をベッドに座りながら、黙って見ている事しかできない僕。


先生は、僕の勉強机の椅子に座って、部屋中をゆっくり見渡してから、なぜか微笑んだ。


「何ですか…その笑い…」


思わず、僕は問いかけてしまった。


「えっ？いやぁー、男の子の部屋にしては綺麗だなーと思ってね。」



そう言うと、先生は口元に手をあてて、また笑った。