弱虫なボク~先生と生徒の距離~
急いで、走ってきたはずなのに、



高田香奈の寂しげな表情を見ていると、近づけない自分が居た。


ここまで、必死になって走ってきたくせに…


そんな言葉が頭に浮かんだその時



「あっ、井手君…」


高田香奈は、ボケっと大きな木の横に立ち尽くしている僕に気づいて


ベンチから立ち上がって、僕の方へと近づいてきた。


まだ、制服のままの高田香奈。


先生を僕の家まで連れて来てから、ずっとこの公園に居たんだろうか?
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