弱虫なボク~先生と生徒の距離~
さっきまでが嘘のような雰囲気の高田香奈に、少し戸惑った。


そして、少し震えながらの『迷惑』の言葉にも…。


「迷惑っていうか…なんで、そこまでする必要があるんだよ…。」


そう、他のクラスメート達は、僕の事なんて気にしない。


むしろ、居ない方が良いと言う奴だっているのに…


なんで、いつも高田香奈は、僕に関わってこようとしてくるんだよ…。



「いつも…ずっと…井手君の事、見てたんだ…私。」


途切れ途切れに、聞こえてきた、その言葉に僕の心は、ドキっと小さく跳ねて、鼓動が早くなっていくのが分かった。


そう告げた後、高田香奈は僕の隣に静かに座り、言葉を続けた。
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