弱虫なボク~先生と生徒の距離~
しばらくして、ゆっくり教室の扉が開かれるのと同時に


教室内は、静かに静まり返った。


上下黒で揃えられているスーツを身に纏い、教壇に立つ1人の女性。


「久しぶり。皆ちゃんと夏休み過ごした?」


教壇から1人、1人の顔を眺めるように、顔を左から右へ動かす先生。


顔を動かしているせいか、ストレートのロングの黒髪も一緒になってサラっと動く。


僕は、その姿をいつものように、
目に焼き付けるように、離れた所から見ていた。


先生の声が、ほんのり香水の香りが、笑った顔が、
全てが大好きで…


ただ、黙って眺めていた。
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