弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「よし…」


呼吸が乱れているのか、心が乱れているのか。


自分を落ち着かせるように、小さな決意を胸に秘めて、
重たい足を一歩、一歩、教室へと向けて進んで行く。


一歩進めば、あの顔が浮かぶ。


また、一歩進めば、さっきの二人きりの映像が頭を占領する。


どんどん進めば進むほど、寿美子先生が僕の頭の中で……


もちろん、僕の心は考えれば考えるほど、想えば想うほど


激しく動く。


ドキドキ、と。
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