弱虫なボク~先生と生徒の距離~
今度は、僕が黙りこんでしまった。


黙りこんでいると言うよりも、返す言葉を考えこんでいると言った方が正しいかもしれない。


考えている間も、どんどん弾んでいく左胸。


こっそり、手を当ててみたけど、そんな事で落ち着いてくれるわけもなく。


ただ、時間だけが過ぎていくだけで…


この2人の雰囲気は変わってくれない。


チラッと、高田香奈を見てみたら、ピンクの花柄のハンカチで顔を覆っていた。


なんて、なんて、言葉をかけたら良いの?


答えが、なかなか出てこない僕は焦り始めた。
< 201 / 222 >

この作品をシェア

pagetop