弱虫なボク~先生と生徒の距離~
クルっと、先生は僕に背中を向けて、空を見上げた。


「それから、先生も…担任の教師に恋をしたわ。」


少し照れながらだけど、先生は笑ってそう話した。


それを聞いても僕は、まだ先生が何を言いたいのかが分からない。


「先生?」


ベンチの後ろに居る高田香奈も、ハテナを浮かべているよう。


「先生も、逃げてばかりで、結局想いを伝える事ができなかった。」


「先生…僕は…」


言葉を途中で挟んでみたが、それから言葉は上手く続かない。
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