弱虫なボク~先生と生徒の距離~
座っていた先生は、『うん』と小さく頷くと立ち上がって、


「井手君、ありがとう。」


ありがとう?


先生は、晴れ渡った空のような清々しい表情でそう言い、



「でも、私は井手君の気持ちには、応えれない。ごめん。」


やっぱり、予想通りの答えが返ってきた。


完全に、僕の中で全てがズタズタと切り裂かれていく。


2人で撮った写真の思い出さえも…


「もう、忘れましょう。この話は、先生聞いてない事にするから。」


先生の声が、今は上手く聞こえてこない。
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