弱虫なボク~先生と生徒の距離~
『3年3組の井手君。校内に残っていたら、職員室まで来て下さい。』
また、スピーカーから優しい声が。
「仕方ない…か。」
改めて、弱虫な自分が情けないと思った。
椅子から、重たくなっている腰を上げ、ゆっくり職員室に向かって歩き出した。
しかし、僕の気持ちを知ってか知らずか、足はスピードを上げようとしない。
むしろ、職員室に近づくにつれて、遅くなっていく。
すっかり、廊下からもどこからも生徒達の声が消えて、
静かに静まり返っていた。
でも、職員室が見えてくると、
僕の心臓がトクン、トクン、と音を鳴らす。
上履きで歩く音と僕の心臓の音が、
僕の耳の中で行ったり来たりを繰り返す。
また、スピーカーから優しい声が。
「仕方ない…か。」
改めて、弱虫な自分が情けないと思った。
椅子から、重たくなっている腰を上げ、ゆっくり職員室に向かって歩き出した。
しかし、僕の気持ちを知ってか知らずか、足はスピードを上げようとしない。
むしろ、職員室に近づくにつれて、遅くなっていく。
すっかり、廊下からもどこからも生徒達の声が消えて、
静かに静まり返っていた。
でも、職員室が見えてくると、
僕の心臓がトクン、トクン、と音を鳴らす。
上履きで歩く音と僕の心臓の音が、
僕の耳の中で行ったり来たりを繰り返す。