弱虫なボク~先生と生徒の距離~
寿美子先生が近づくにつれて、甘い、甘い、香りが僕を包み込んでいく。


ダメ、ダメです、これ以上は来ないで下さい!!


なんて、心の中で大きく叫んでみたけど


「忘れ物だよ。」


寿美子先生は、僕の目の前に立ち、そう言うと


鞄を僕に手渡した。

「先生が持ってたんですか!?」


一番、持っていて欲しくない人が持っていたなんて……


「はい?…何よ~その顔は~。」


怪しむ感じで、疑いの目を僕に向ける先生。


僕より背が低いため、若干の上目使いが僕の心臓を揺さぶる。


「べ、別に…」


完全に動揺が隠しきれず、動きと言葉がワンテンポずれてしまった。
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