弱虫なボク~先生と生徒の距離~
これ以上、学校に居る意味がないのに。



「何?」


完全に冷めた表情で、めんどくさそうに尋ねた。


「出た、お得意の『何?』」


僕を挑発するかのように、僕の真似をする高田香奈


内心、僕はイラっとした。しかし、表情は涼しく冷めた顔を崩さない。


「用がないなら、帰るよ。」



「はい?用があるから引き止めたんでしょうが!!」


眉間にシワを寄せ、少し踵を上げて僕より背の低い高田香奈は、


めいいっぱい怒りを体と口で表し始めた。


「だから、何?」


火に油を注ぐかのように、僕は、ワザと冷たい言葉を浴びせた。


「アンタねぇ~!!」


今にも、噛みついてきそうなぐらいにまで、怒りがピークに達する高田香奈。


こんなに沸点が低い女だったとは…


クスっと、心の中で笑ってしまう。


でも、顔は涼しいままを保っていた。
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