弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「久しぶり…元気?」


駆け出してきたせいで、若干呼吸を乱しながら、女の子は尋ねたきた。


僕の目は、キョトンと驚いているに違いない。


いや、人違いだと思いたい気持ちの方が強かったかもしれない。


しかし、僕の願いは叶う事はなかった。


「里奈…」


つい、僕の口から小さくこぼれだした。

もちろん、弱く小さくこぼれたその名前は、


ウルサい雑音の中へと消えていった。
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