弱虫なボク~先生と生徒の距離~
確かに、あの頃は、ベンチに座り見つめ合えば、何度も里奈と唇を重ねた。


昼、夜、関係なしに。


人の目なんて、もちろん気にすらしなかった。


僕らは、唇を重ねると、2人の世界へと旅立っていたんだから。


弱虫で、いつも人の目を気にしてた僕が……


ふと、辺りを見渡すと1年前とは雰囲気が違う公園。


子供が暗くなるまで遊び、高校生や大人の恋人がチラホラ居たはずが


今は、全く人気がなく


ゴミがアチコチに捨てられ、遊具もベンチと同じく


腐食したものや、サビれたものばかりで。


孤独という言葉が似合う公園になってしまっていた。
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