弱虫なボク~先生と生徒の距離~
なぜか、その日だけ、いつもと違う道を通っていた僕。


いつもなら、大通りを通って帰っているはずが、


今日は、なんだか無性にいつもデートの後に訪れる公園の前を通りたくて



公園に到着すると、まだ、陽も暮れてないのに


体が触れ合って、顔を近づける恋人同士がすでに居た。



「相変わらず…だな」



って、僕も人の事は言えないか…


明日、またここで、里奈とキスを交わし2人の世界へと旅立つのかな。


一瞬、不埒な事を想像してしまった自分に恥ずかしくなり


クスッと笑って誤魔化した。


さっきのカップルは、さらに接近して少し離れていた僕からも分かるぐらいに


唇を何度も、何度も、長く重ねていた。


見ているだけの僕が、なぜか顔がどんどん熱くなる。


「早く、帰ろう…」


目に映る濃厚なキスの光景に耐えきれず、公園を去ろうとした時だった。
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