弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「里奈…」


少し低い声、公園の方から


恋人達の居る方から、確かにそう聞こえた。


「まさか…ね」


ほんの少し、頭に里奈の顔が浮かんで来た。


しかし、そこに居るワケがないと思い、すぐに頭から消えた。


ただの同名なだけだ、と思ったから。


「ツヨシ…大好きだよ…」



今度は甘く、喘ぐ感じの女の声が…


この声には、僕の心臓がドクドクと反応した。


どこかで聞いた事がある声で


いつも、近くで聞いている声のような。


僕の体が隠れるぐらいの木の後ろに身を潜め


僕は、恋人達の動きを見つめた。


数分後、恋人達は、2人の時間を堪能したのかベンチから立ち上がり


僕が居る方へ歩いて来る。
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