弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「あっ、合唱の練習の方はどう?上手くいってる?」


出席名簿をつけながら、先生はさりげなく尋ねた。


「…上手くいってますよ。1人を除いて」


高田香奈は、先生の問いかけに答えると首を僕の方に向け、


朝の出来事を根に持っているのか、不敵な笑みを浮かべて答えた。


間違いなく、1人を除いてってのは僕を指しているに違いないと思い、


一瞬、ドキっと心が揺れた。


クラスメート達も僕の方を嫌な目つきで見てくる。
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