弱虫なボク~先生と生徒の距離~
いつも通り、その日は終わろうとしていた。


退屈な授業、退屈な休み時間、退屈な時間。


その退屈な間に、僕は何度ドキドキしただろう。


そのドキドキは、もちろん高橋寿美子先生との2人っきりの話にある。


考えただけで、ドキドキとする僕の心臓。


先生の声や、香りや、存在に敏感になり過ぎてしまっている。


今日は、完全に上の空状態。


そして、


「じゃあ、練習頑張ってね。井手君は、ちょっとついて来て」


ついに、また2人っきりの時間が来てしまった。
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