弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「先生…ちょっといいですか?」


廊下は走ってはいけないというルールを完全に無視するかのように


高田香奈が、勢いよく走って僕と先生の方へと走ってきた。



「高田さん?…クラス委員が、廊下を走ってどうするの?」


苦笑いを浮かべながら、先生は優しく叱る。


「すみません…私も、話させてもらえませんか?」


制服のスカートを両手で、掴みながら高田香奈は意味不明な言葉を……


もちろん、先生の可愛い目は点になっていた。


僕は思わず…


「何だよ…」


いつもの無愛想な言葉を発してしまった。


「クラス委員として、クラスの代表で話をさせてもらいたいのよ!」


なんで、僕にだけ怒りのこもった口調なんだよ。


先生は、僕と高田香奈のやりとりを見て、さらに苦笑いを浮かべてた。


「わかった、わかった。高田さんも一緒に来て」


その瞬間、高田香奈の顔に笑顔が浮かんだのを僕は見逃さなかった。
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